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俺は柔道推薦である大学の○○学部に入学した。
相変わらず柔道中心の生活だった。
練習は高校の時よりも自主性が尊重されていたが時間が長く厳しかった。
自主性が尊重されていたと言ってもコーチも監督も良く選手を見ていて
怠けてたり気力の無い者は、たとえ実力があっても試合に使ってもらえなかった。
俺はどんな試合にも出たかったのでがむしゃらに練習してた。
私生活では寮に入り同部屋の4年生の先輩の部屋係(特殊な呼び名がある)として先輩の日常の世話を焼いた。
洗濯をしたり練習道具を持って付いてまわったり、先輩が眠るまで背中と腰のマッサージをさせられたりした。
何とか先輩に睡眠薬を飲ませられないか仲間とこっそり相談したりもしてた。
俺の先輩は柔道はそれ程強くなく優しくて良い人だったが、少し変な趣味の変態だった。

彼女も俺と大学は違っていたが一緒に上京し、俺の寮の近くのワンルームマンションに住んでいた。
彼女の父であり俺の柔道の師匠でもある先生にも
「ゆうをよろしく頼むな。」
と言われていた。
しかし、日々の練習と先輩の世話で忙しくなかなか会えなかったし
俺も入ったばかりで練習ではくたくたになり、
私生活でも優しい先輩とはいえ戸惑うことばかりで自分のことでさえ一杯一杯だった。
携帯も出られず彼女からの着信が有っても夜に電話すればいいやと
そのまま忘れて寝てしまったりしてた。

ある日、彼女と1週間連絡を取らなかったまま、急に先輩が外泊することになり
俺も外泊出来ることになった。
俺は何やら連絡するのが照れくさかったし彼女を驚かせようと、直接夕方に彼女のワンルームマンションに行った。
彼女のマンションは4階建てで彼女は4階の角部屋に住んでいた。

カメラ付のドアホンを押す。
「はい。あー!しゅーちゃん!ちょっと待ってて」
パタパタと走ってくる音がしてドアが勢いよく開いた。
彼女は飛びついて来て
「わー。しゅーちゃん!待ってたよー!」
と涙目で言った。

まだご飯も食べていないとのことだったので近くのスーパーに一緒に買い物に行った。
「何か新婚さんみたいだねーw」
彼女は俺と腕を組んで嬉しそうに歩いた。
何か急に俺は彼女がとてもかわいそうになった。そして俺自身もかわいそうになった。
「ゆう。ごめんな。電話に出れなくて。電話もしなくて…」
彼女は立ち止まって
「いいんだよ。しゅーちゃんが忙しいの分かってる。私はいつまでも待てるから大丈夫。今日も来てくれたじゃん。だから謝らないで」
と言って寂しく笑った。

俺たちは地元から遠く離れていた。
この街にはこんなに沢山の人がいるのに俺達二人しかいないような
ひどく寂しい気がした。
俺は彼女と一緒に今すぐにでも暮らしたかった。
こうやって毎日手を繋いで買い物したりしたかった。
夕暮れの空にいつかと同じようにキラッキラッの星がひとつだけ光っていた。
俺は彼女を見た。
「あれは金星だろ?」
「何か前に聞いたことあるw」
彼女は楽しそうに笑った。
風が吹いてきて彼女の前髪を揺らした。
俺は夕焼けに照らされた彼女の顔を見て、
ふとあの頃よりとても綺麗になったなーと思った。

スーパーからの帰り道。
今までなかなか会えなかった罪滅ぼしに今度の試合の後の
休みに2人で初めての旅行をしようと話した。
彼女「わーww!行こう行こうw私計画するね。いい?」
俺「いいよー。レンタカー借りていこうw」
彼女「楽しみだねーw」

翌朝、俺は寮に帰りたくなかったが仕方なく帰った。
彼女も最後の最後まで俺に抱きついてた。

同部屋の変態先輩がどこで聞いたのか
「おい、○○。お前彼女と旅行に行くんだって?」
と聞いた。
俺は少しドキッとしたがポーカーフェイスで
「はい。報告が遅くなってすみません。まだはっきりと決まってなかったんで」
と冷静に言った。
本当は○○○島へカーフェリーで行くことになってた。
先輩「報告とか別にいいけどよ。何?レンタカーで行くんだって?」
俺「はい。そのつもりです。」
先輩「おいおいww俺に相談しろよー。俺のクルマ貸してやるって、レンタカー代もったいないだろー
お前がんばってるから浮いた金で彼女にうまいもの食わしてやれよー」
と先輩は笑って言った。
俺「先輩まじっすか? ありがとうございます!」
俺は嬉しくて少し泣きそうになった。

旅行当日。
先輩のクルマを寮の近くの駐車場に先輩と取りに行った。
白くて古い昭和60年代前半のカリーナだった。
お兄さんからもらったらしい。ほとんど乗ってないと言った。
シャコタンだった。少しだけ俺は後悔した。
恥ずかしいくらい大きなフロントスポイラーが付いてた。
先輩が運転席に乗ってエンジンを掛けた。
すごい低くて大きな音がマフラーからした。
先輩「ガソリン満タンにしといたから、満タンで返せよ。あとはどう使ってもいい。多少の傷くらい許してやる。」
と言って運転席を降りた。

「先輩ありがとうございます。」
少しヤンキー車っぽいけどほんとにありがたかった。
先輩「おー気にすんな。ちなみにこいつはAE86と同じエンジンだぞ」
と俺にはどーでもいいことを言った。
先輩「あと、お前の彼女巨乳か?」
俺「いえ、普通より少し大きいくらいだと…」
先輩「そうか、帰ってきたらここの匂いの感想を教えろ。」
と言っておっぱいを持ち上げる格好をしておっぱいの下の部分(先輩の言う巨乳の裏?)を指し示した。
俺は笑ってごまかした。この変態がwww
先輩は日頃から夏の汗だくの巨乳の裏の匂いが大好きだと言っていた。

先輩と別れ彼女を迎えに行った。
このカリーナは足回りも改造してあるようでガチガチで乗り心地も最悪だった。
アクセルを踏むごとに恥ずかしいくらいの爆音が鳴ってた。
彼女はマンションの下で待ってた。気合の入った可愛いかっこしてた。
こちらを見なかった。
彼女の目の前にクルマを止めた。
彼女はこちらを見ずに何か思い出したかのようにマンションの入口に向かった。
「ゆう!」俺は窓を開けて呼んだ。
彼女は驚いて振り向き、まじまじと俺を見た。
「あーしゅーちゃんかー。良かったーw変な人かと思ったよw」
「先輩のクルマだよ。」
「ふーん。」と言ってクルマをよく見てた。
「顔はかわいいねw」
彼女は荷物を後部シートにおいて助手席に乗り込み俺たちは初めての旅行に出発した。

彼女はお気に入りのCDを持ってきてた。
俺はCDを入れるところが分からずカーオーディオのボタンを適当に押した。
中に入ったままのカセットが動き出した。
メリー・ジェーン(つのだひろ)が流れた。先輩の趣味か?
良い曲だった。
彼女が俺のシフトレバーに置いた左手の上に右手を乗せ軽くなでなでしてた。
俺「たまに聞くとすごくいいな」
彼女「そうだね」
しばらく聞き入ってた。
しんみりと終わった。次は何だろう?

次の曲はまたメリー・ジェーン(つのだひろ)だった。
俺「あれ?またか」
俺は早送りしてみた。
次の次の曲もまたまたメリー・ジェーン(つのだひろ)だった。
「おいこれメリー・ジェーンしか入ってねーwwwww」
彼女と腹を抱えて息が出来ないくらい爆笑した。
先輩のお兄さんのカラオケ練習用のテープだったのかもしれなかった。
結局テープも取り出せなかった。もう再生もしたくなかった。

俺は時間を考えず二人で一緒に居られることが、こんなに幸せで楽しいとは思わなかった。
カーフェリーの中でもピッタリくっついてた。彼女も俺にもたれかかり
くつろいだ様子で甘えてた。
「あーすごーく幸せだー。ずーっとこうしてたい…」
彼女はキスをしたそうに俺をみつめてつぶやく。
俺は周りの目が気になってキスはできなかった。

○○○島の港についたのは夕方近かった。
俺たちのカリーナは爆音を轟かせて最初の目的地○○岬展望台へ行った。
俺たちはクルマからおり岸壁から海を見下ろした。
久しぶりに都会から離れ美味しい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
あたりには誰も居ないようだった。
彼女を抱き寄せてフェリーで我慢してた分も合わせて思いっきりディープキスした。
俺も完全に勃起し彼女もハァハァしてた。

そこへ突然
「おいおい何だこのウルせークルマは」
体のでかいDQN3人組があらわれた。

一段下の駐車場にたむろしていたようだった。
ということはキスも見られていた。
「すみません。すぐに行きます。」
俺は素直に謝り、先輩のクルマ失敗だったかなーと冷静に思った。
「待てこら!お前どこのモンだ!」
下手に出過ぎた俺に2人近づいてきた。一人の男の右腕に竜の刺青が見えた。
やばいかな。ヤー公かな?
もう一人が彼女に向かっていき
「たまんねー。綺麗なねーちゃんだな。俺たちと遊ぼうぜ」と言った。
俺の心拍数は少し上がっていたが試合中のように冷静だった。
竜の刺青が俺に掴み掛かってきた、酒臭かった。

俺はそのまま手首を掴んで相手の手を逆手にして
うつぶせにし、腕がらみの要領でひじの関節をとって容赦なく力任せに脱臼させた。
「いつつつつつううつっ」
男は痛さのあまり転げまわった。俺は彼女を見た。
彼女に向かっていた男も呆然と俺を見ていた。俺は準備体操のように首を回して近づいていった。
ようやく痩せている俺のTシャツからのぞいていた上腕の筋肉と前腕の太さに気付いた男はあとずさった。仲間内では軽い方だったがこの頃の俺でもベンチプレスで140キロは上げていた。
俺は、さてやるか思った瞬間、彼女が男の腕をとると彼女の柔道時代の得意技一本背負いが目にも留まらぬ早業で決まった。しかも超低く相手は受身も取れず顔から芝生に落ちてった。小学校以来久々に見た惚れ惚れするような彼女の神技だった。
残った一人は戦意を喪失させ脱臼してる男の傍らにいき様子を伺ってた。
俺たちは急いでカリーナに乗り爆音を轟かせ宿に向かった。

彼らの怪我の状態が少しだけ心配だったので
一応クルマから喧嘩してる人達がいると110番しておいた。
「あー怖かったー。」と彼女は俺にしがみつき少しだけ泣いていた。
小さな頃に一生懸命にやったことはちゃんと体が覚えていてくれるんだなーと俺は彼女の技を見て思った。
彼女も幼稚園から小学校までの7年間本当に人知れず頑張ってたんだと思う。

俺はカリーナの持ち主の愛すべき変態先輩に一部始終を携帯で報告した。
先輩のお父さんはどっかの県警の本部長?をしてると聞いていた。
先輩は笑って、
「ただの地元のヤンキーだろう、ビビッてもう来ね-よ。お前偉い!
○○大柔道部の根性見せたなーww。やくざだったら何とかしてやるから楽しんで来い」
と言ってくれた。
嬉しかったし安心した。俺は嫌なことはすぐに忘れることにした。

先輩の言う通りこの旅行中、二度と奴らを見なかった。

俺達は旅館に着くと駐車場の一番目立たないところにヤンキーカリーナを駐車し
チェックインした。
さすがに彼女が厳選しただけあって清潔で落ち着いた感じの旅館だった。

部屋に行き荷物を置いて手を繋いで旅館のなかを探検した。
何かワクワクしてた。
食事は部屋食ではなかったがとにかく魚介類が豊富で新鮮で美味しかった。
この頃の俺は酒をあまり飲めなかったが、ビールを一本だけ注文して飲んだ。
彼女がお酌をしてくれて、何か夫婦みたいだなーと思った。
俺たちはゆっくりたらふく食べ部屋に戻った。
既にふっかふっかの布団が並んで敷いてあった。
彼女と目が合うと彼女は少し赤くなってうつむいた。食べたくなるくらい可愛かった。

彼女と俺は温泉に入りに行った。だいたいの時間を決めてロビーで待ち合わせた。
俺はいろんなところを念入りに洗った。
この後のことを考えるとむくむくと勃起してきてしまった。
男風呂で勃起は超恥ずかしかったので必死に俺は高校の時の顧問の顔を思い出した。
すぐに通常の状態に戻った。恐るべし顧問w

ロビーで彼女を待ってた。雰囲気の良いBGMが流れてた。
ちなみにメリー・ジェーン(つのだひろ)ではなかったw。
ゆっくりくつろいでコーヒーを飲んだ。
浴衣の彼女がやってきた。
「お待たせーw」
少し濡れた髪と上気した頬の彼女は無茶苦茶可愛かった。
俺は完全に勃起し前屈みでタオルで隠しながら部屋に向かった。
気付いた彼女は「もう。エッチだなー」と笑った。
「ごめん」
本当に恥ずかしかった。


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